秋の七草
伊勢神宮(外宮)の観月会に供えられた秋の七草。
秋の七草は以下の7種の野草のことである。
画像 | よみ 名称 | 現在の名称 | 学名 | 科名 |
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![]() | おみなえし 女郎花 | オミナエシ | Patrinia scabiosifolia | オミナエシ科 |
![]() | おばな 尾花 | ススキ | Miscanthus sinensis | イネ科 |
![]() | ききょう 桔梗 | キキョウ | Platycodon grandiflorus | キキョウ科 |
なでしこ 撫子 | カワラナデシコ | Dianthus superbus | ナデシコ科 | |
![]() | ふじばかま 藤袴 | フジバカマ | Eupatorium fortunei | キク科 |
![]() | くず 葛 | クズ | Pueraria lobata | マメ科 |
![]() | はぎ 萩 | ハギ | Lespedeza | マメ科 |
山上憶良が詠んだ以下の2首の歌がその由来とされている(2首目は旋頭歌)。
- 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(万葉集・巻八 1537)
- 萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)
「朝貌の花」が何を指すかについては、朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔など諸説あるが、桔梗とする説が最も有力である。
文化
春の七種と違い、秋の七草に直接何かをする行事は特に無い。秋の野の花が咲き乱れる野原を「花野」(はなの)と言い、花野を散策して短歌や俳句を詠むことが古来より行われていた。秋の七草はそれを摘んだり食べたりする物ではなく、観賞するための物であり、ゆえに「秋の七草粥」という物も存在しない。なお、それぞれの草花には以下の薬効成分がある[4]。
- ハギ:咳止、去痰、胃痛、下痢など。
- ススキ:利尿。
- クズ:葛根湯として風邪薬に用いられる外、肩こりや神経痛にも効用がある。
- ナデシコ:むくみ・高血圧。
- オミナエシ:消炎・排膿。
- フジバカマ:糖尿病・体のかゆみ。
- キキョウ:咳止め、去痰、のどの痛み。
覚え方
- “おすきなふくは”
- 表の順による秋の七草の覚え方。「おみなえし」「すすき」「ききょう」「なでしこ」「ふじばかま」「くず」「はぎ」。同様に下記の覚え方もある。
- “おきなはすくふ”(「沖縄救う」の旧仮名遣い表記)[5]
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